息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

クリスマスツリー

今、テレビのCM でも、外でも

クリスマスモード一色。


以前は、店やあっちこっちの

きれいなツリーや飾りを見ると

なんとなくワクワクしたり

売られているオーナメントなんかを

「かわいい!」と手に取って見たりしていたけど

今は、その華やかな雰囲気には近寄れない。


二年前の

息子を亡くして初めてのクリスマスには

家で毎年飾っていたツリーを

出す気にはなれなかった。

もうツリーを飾るのはやめようと思った。


けど、娘のことを考えると

娘には普段通りに過ごしてほしかったから

いつも通りにツリーを出すことにした。


今年もツリーは飾る。


たぶん今年が最後。


来年からは飾らない。


春に娘が結婚したら、そのあとは私ひとり。
ツリーなんか必要ない。


でもチキンとケーキだけは用意するかな。

息子が好きだったから。

それを息子といっしょに

いっしょに食べよう。

心がざわざわする

会いたい思いは募るばかりで
でも会いには行けなくて


寂しくて
悲しくて
苦しくて
気が狂いそうになる


それでも
なんとか自分を保ちながら
一日一日を過ごしている


それなのに


テレビのニュースや
新聞記事に
心が乱される


ただ静かに
そっと
息子のことを思っていたい


ただそれだけなのに


心がざわざわして落ち着かない

思い出してしまうもの

今日は、息子の29回目の月命日。
そして、夫の誕生日でもある。




ネットのあるクイズをやっていたら、その答えに「犬猿の仲」というのがあった。


その言葉を見聞きすると、いつも息子と夫を思い出す。
息子が戌年で、夫が申年だったから。


息子が生まれた時、夫が
「犬猿の仲って言うから、相性が悪いんやろか」
なんて、冗談で話してた。


もちろん、夫と息子は犬猿の仲なんかではなかったけど。


今あっちの世界でも、ふたりで仲良くやっているんだろうな。


なんて、そんなことを考えていると、涙が溢れてきた。


こんな諺ひとつで泣いてしまうなんて、何やってんだろ。



考えてみれば、あっちにもこっちにも、見ても聞いても思い出してしまうものがいっぱいある。
どうしても見たくないものは見ないように、行けない場所は遠回りしてでも避けてはいるけど、29ヶ月経ってもだめなものはだめだ。


無理に慣れる必要なんかないし、なんとかよけながら生きていくかな。