52年
テレビで高嶋政伸を見て、昔、高島忠夫、寿美花代の長男が亡くなったことを思い出した。
1964年、当時5ヶ月だった長男を、住み込みで働いていたお手伝いさんに殺されたという事件。
両親の留守の間に起ったことで、長男の姿が見えないという電話に家に戻り、浴槽に沈められているのを寿美花代が見つけた。
私は何年か前に、華やかで幸せそうに見える芸能一家に、こんな悲しい過去があったんだと知った。
寿美花代は、未だに浴槽に入ることができず、入浴はいつもシャワーで済ませているそうだ。
あの時自分がそばにいてあげていたらと、今も悔やんでいるという。
52年経っても、後遺症と自責の念に苦しめられているんだということに驚きはしない。
何年経っても変わらないのだと思う。
52年の間に、楽しいことも嬉しいこともいろいろあったに違いない。
そんな中で、長男を亡くした悲しみを、52年間ずっと胸に抱えて生きてきたのだろう。
52年、それは私の生きてきたのとほぼ同じだけの年月だ。
先の52年って考えると、長い。
私はあと50年も生きることはないだろうけど、52年は長い。
ほんとに長い。
そう感じた。