息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

いつかはまっすぐに

年末年始はどこに行っても人が多かった。

家族連れやいろんな人たちがいる中で、男の子といっしょにいる母親にどうしても目が行ってしまう。


羨ましいという気持ちとともに、そんなふうにいっしょに並んで歩けるということが、普通のことなんだけど実はとても幸せなことなんだってことに、その母親は気付いているのだろうかと思う。


私はわかっていなかった。

息子がそばにいるのは、ごくごく当たり前のことだと思っていた。

突然、息子がいなくなってしまうことがあるなんて思ってもいなかった。


見たくないものが目に入らないように、うつむき加減に歩いている。

いつの間にかそんな癖がついてしまっていることに気付いた。

当分はまだ、このままなんだろうな。

ちゃんと前を向いて歩けるようになるのには、まだ時間がかかりそうだ。




今日の晩ご飯はぶりの照り焼きにした。

息子の好きだったお魚。

お供えしてあげよう。

喜んでくれるかな。

大好きなみたらし団子も買ったからね。

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