いつかはまっすぐに
年末年始はどこに行っても人が多かった。
家族連れやいろんな人たちがいる中で、男の子といっしょにいる母親にどうしても目が行ってしまう。
羨ましいという気持ちとともに、そんなふうにいっしょに並んで歩けるということが、普通のことなんだけど実はとても幸せなことなんだってことに、その母親は気付いているのだろうかと思う。
私はわかっていなかった。
息子がそばにいるのは、ごくごく当たり前のことだと思っていた。
突然、息子がいなくなってしまうことがあるなんて思ってもいなかった。
見たくないものが目に入らないように、うつむき加減に歩いている。
いつの間にかそんな癖がついてしまっていることに気付いた。
当分はまだ、このままなんだろうな。
ちゃんと前を向いて歩けるようになるのには、まだ時間がかかりそうだ。
今日の晩ご飯はぶりの照り焼きにした。
息子の好きだったお魚。
お供えしてあげよう。
喜んでくれるかな。
大好きなみたらし団子も買ったからね。