泣きたい日
マンションの理事会があった。
議題はいろいろあるけれど、1階の人からの苦情で、上のベランダからの落下物が多いっていうのがあった。
ベランダからの落下物・・・
胸がドキドキしてきて、下を向いたまま顔を上げることができなかった。
他の人は
「洗濯バサミが落ちてきたり、植木にやる水がたれてきたり、しょっちゅう何かしら落ちてくるみたいやわ」
とか話している。
管理会社の人が
「下に止めてる車を傷つけたりすることもありますし、落ちてくる物によっては人身事故につながることもありますんで、注意を促すようにします」
と。
人身事故・・・
胸の鼓動がさらに激しくなる。
別に誰も何も言ってはいない。
何も思ってもいないのかも知れない。
でも、斜め前に座っていた息子の同級生の母親が私を見ているのがわかった。
私が下を向いてるから気付かないと思っているのか、じっと見ている。
いつも、理事会のある一週間前ぐらいから憂鬱でたまらなくなる。
当日、席に着き、始まってしまえば、なんとか表向きだけでも普通でいられる。
だけど、今日は辛かった。
何年か前、ベランダに干していた布団を入れようと布団バサミをはずしたら、パキッと半分に割れて落ちてしまった。
幸い、下に車は止まっていなかったけど、すぐに1階の人の所に行って謝り、落ちたやつを取ってもらった。
息子が小さい時にも、おもちゃを落としてしまったことがあった。
その時も、車はなくて、もちろん謝りにも行った。
あの頃、その1階の人に謝っても謝りきれないようなことが起こってしまうなんて、思いもしなかった。
当たり前だけど。
そんなことは誰にもわかるわけない。
だめだ。
今日はとことん落ちてしまう。
泣きたい。