息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

憂鬱

昨日の夜は、母の家で、姪と娘と私とで晩ごはんを食べた。


兄にはこの姪の他に、息子が二人いる。

姪は娘のひとつ下で、甥たちは、息子を真ん中にしてそれぞれふたつ違い。

いつも女二人組、男三人組に分かれて遊んでいた。


昨日のメンバーで集まるのは、私の記憶では初めてのことだと思う。


すき焼きを囲み、会話が弾み、笑いあって楽しいひとときを過ごした。

甥のそれぞれの近況なども聞いたりしていたが、息子のことには誰も触れなかった。

たまたまなのか、触れないようにしていたのかはわからないけど。

その方が私も泣かずにすむからいいとはいえ、少し寂しい気もした。


話をしながら息子のことを想い、すき焼きをパクつく息子の姿を思い浮かべた。


テレビの上には、今年の元日に、母、兄の家族、私の家族みんなで撮った写真が飾られてある。

息子の姿もある。

毎年、お正月に集まった時に必ず撮る記念写真。

母は毎年、新しい写真に入れ替える。


写真なんか撮りたくない。

息子ひとりが抜けている写真なんて、そんなものは見たくもない。


そんな私の気持ちなんてお構いなしに、母はいつものように

「写真を撮ろう」

と必ず言うだろう。

夫が亡くなった後も続けられてきたことだし、母は私が、もう立ち直ったと思い込んでいるから。


大晦日、元日と続けてみんなで集まるけれど、そこには、今までいたはずの息子の姿がない。

そんな中で、甥たちにも会って気持ちが沈むのに、泣かずに過ごせるのだろうか。

自信がない。


いやだな。

行きたくないな。

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