憂鬱
昨日の夜は、母の家で、姪と娘と私とで晩ごはんを食べた。
兄にはこの姪の他に、息子が二人いる。
姪は娘のひとつ下で、甥たちは、息子を真ん中にしてそれぞれふたつ違い。
いつも女二人組、男三人組に分かれて遊んでいた。
昨日のメンバーで集まるのは、私の記憶では初めてのことだと思う。
すき焼きを囲み、会話が弾み、笑いあって楽しいひとときを過ごした。
甥のそれぞれの近況なども聞いたりしていたが、息子のことには誰も触れなかった。
たまたまなのか、触れないようにしていたのかはわからないけど。
その方が私も泣かずにすむからいいとはいえ、少し寂しい気もした。
話をしながら息子のことを想い、すき焼きをパクつく息子の姿を思い浮かべた。
テレビの上には、今年の元日に、母、兄の家族、私の家族みんなで撮った写真が飾られてある。
息子の姿もある。
毎年、お正月に集まった時に必ず撮る記念写真。
母は毎年、新しい写真に入れ替える。
写真なんか撮りたくない。
息子ひとりが抜けている写真なんて、そんなものは見たくもない。
そんな私の気持ちなんてお構いなしに、母はいつものように
「写真を撮ろう」
と必ず言うだろう。
夫が亡くなった後も続けられてきたことだし、母は私が、もう立ち直ったと思い込んでいるから。
大晦日、元日と続けてみんなで集まるけれど、そこには、今までいたはずの息子の姿がない。
そんな中で、甥たちにも会って気持ちが沈むのに、泣かずに過ごせるのだろうか。
自信がない。
いやだな。
行きたくないな。