ひとりで生きていない
この間、マンションの役員になって初めての理事会があった。
管理会社の人が中心になって進めていく中、座っている私の足元に蜂が飛んでいるのに気付いた。
私は、驚きもせず何も言わなかった。
以前の私ならたぶん
「あっ!蜂が!」
と騒ぎ立てただろう。
でも、人目を気にしている私が、12人だけだけれど、その集まりの中にいるというだけでも苦痛だったから、なるべく目立ちたくないという思いが先に立ち、気付かない振りをした。
下手したら 、刺されてアナフィラキシーショックを起こして死んでしまうかもと思ったけど、それでもかまわない、そうすれば息子に会えると思った。
しばらくしたら、隣の男の人が蜂に気付き、私に
「あれ、蜂ちゃう?」
と聞いてきた。
よりによってなんで私に聞くのかと思いながら
「えっ?どこ?」
と驚いた振りをした。
他の人たちもざわざわとしだし、理事長が蜂を捕まえて騒ぎは収まった。
あとで考えてみたら、私がすぐに言わなかったせいで他の人が刺されていたかも知れないと、自分の身勝手さを反省した。
理事会が終わり、家に帰ってテレビをつけたら、小林麻央のことをやっていた。
まだ幼い子供が二人いて、入院もしなければならないだろうし、辛いだろう
私であれば大丈夫なのになと思った。
でも、娘の顔が浮かび、私にも心配してくれる人がいる、もし今私に何かあったら悲しむ人がいるんだと思い直した。
いろんな意味で、私ひとりだけで生きているんではないんだと感じさせられた一日だった。