息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

今年も苦しい正月

大晦日と元日に、いつものように母の家にみんなで集まった。
集まったのは、兄、義姉、姪、甥ふたり、私、娘。


甥たちは、年齢がそれぞれ息子のふたつ上とふたつ下。
どうしても息子と重ね合わせてしまう。


目の前で、義姉が甥たちと
話している
笑いあっている
触れあっている


ごくごく日常の当たり前のワンシーン。


私が今一番望んでいて、絶対に叶うことのないこと。


溢れ出してくる感情を閉じ込めて心に蓋をして、泣かないようにするのが精一杯。
作り笑いをする余裕さえなかった。


弟の方の甥は県外の大学に通っていて、離れて暮らしている。
その頑張っている様子を、母が聞いて褒めている。
素直に聞くことができない。
聞きたくない。
その場にいるのも辛い。
だから、食後の後片付けを率先してやって、その場を離れていた。



毎年、元日にはみんな揃っての集合写真を撮る。
息子がいなくなって初めてのお正月だった昨年は、兄か義姉の配慮からだったのか写真は撮らなかった。
苦しい気持ちで過ごしている中、そのことに安堵したものだ。
もうこのまま、写真なんか一生撮らなくていいと思っていた。
なのに、母が写真を撮ろうと言い出した。

ソファーのある所で、前列はソファーに座り、後列はソファーの後ろに立って撮る。
みんなそこへと移動する。
私は最後まで動けず、心ではめいいっぱい拒否していたけど、急かされ仕方なく移動した。
私はいつもは、前でソファーに座って撮っていた。
今回も、いつものように座る場所を開けてくれていて「ここに座り」と言われたけど、無言で後ろの端に立った。
自動シャッターで、「いくで、みんな笑って!」って、笑えるわけがない。
3回撮り直したけど、全てカメラ目線を外して下を向いたまま。
ささやかな抵抗。
出来上がりも見なかった。


写真は写真立てに入れて、母の家に飾っている。
母は、今年撮った息子のいない写真と、二年前に撮った息子のいる写真とを入れ替えるのだ。



別に誰も悪くない。
私が、息子がいないこの状況に耐えられない、ただそれだけ。
自分のやっていることが大人気ない、ふりだけでいいから、普通のふりをすればいいとは思ったけどできなかった。



いつもの場所に、いつもいた息子がいない。
この現実はあまりにも辛すぎる。
慣れることなんかできない。
息子がいなかったことになんかできない。



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