息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

霧の向こうに

朝起きて外を見てみたら、すごい霧だった。

すぐ先も見えないくらいの濃い霧だった。  

すごいなぁと思いながらしばらく見ていると、この霧の向こうには息子のいる世界があるような気がしてきた。

霧に向かって歩いて行くと、息子が待っていてくれる、手を伸ばしたら、霧の向こうから息子の手が伸びてきて、私を引っばってくれるような、そんな気がした。


普段、息子を思いながら、よく空を見上げる。

空に向かって手を伸ばしたら、息子が引っぱり上げてくれないかなと思いながら、手を伸ばしてみる。

空の上からは

「まだやで、まだ早いで」

という声が聞こえる。


そうやね。

まだ早いね。

まだまだ生きていかなあかんよね。



まわりの冷たい視線や

態度なんかは跳ね飛ばして

優しい言葉と

暖かい気持ちだけを胸に抱いて。

大丈夫だ。

私はひとりじゃない。

ひとりじゃないから。

大丈夫。

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