春は嫌い
駐車場の横に大きな桜の木がある。
花が咲くと、散った花びらが車の上に落ちてくる。
普段は、車を走らせれば花びらは飛んで行ってしまうけど、問題は雨の日。
花びらが車に張り付いて、車がピンク一色に染まってしまう。
雨の中、乗る前に、傘をさしながら花びらを払い落とさなければならない。
花びらが全部散ってしまうと、今度はがくが落ちてくる。
これも花びらと同様、大量に落ちてくるし、雨の日には張り付いてしまう。
がくが落ちてしまうと、次は毛虫が現れる。
車のドアを開けたら、いつの間にか毛虫が先に乗っていたりする。
信号待ちで髪の毛を触って、なんか違和感を感じて手を見ると、手に毛虫がいたこともある。
腕を毛虫の毛にやられて、痒くて痒くて腫れ上がって、大変な思いをした。
だから、桜が咲き始めると憂鬱になる。
息子が亡くなってから、春が嫌いな理由が増えた。
春が来るとやってくる
母の日
私の誕生日
息子の誕生日
息子の命日
春なんか、大嫌いだ。