まだ具体的なことは何も決まっていないけれど、娘が結婚することになった。
娘が幸せになることは、何よりも望んでいることだから嬉しい。
とても嬉しいはずなのに、気持ちは沈んでいく。
ここに息子がいたらなって思う。
いっしょに喜びあえる息子がいないのが悲しい。
娘が笑っていると、息子の笑顔も見たい。
娘を見ていると、息子にもここにいてほしい。
娘を思う時、息子をも思う。
娘がいて、息子がいる、それが私の幸せ。
息子がいなければ、楽しいことも心から楽しいとは思えない。
嬉しいことも心の底から喜ぶことができない。
「姉ちゃんに彼氏の写真見せてもらったけど、なかなかかっこよかったで」
って、息子が言っていたことがあった。
実際に会っていたら、なんて言っただろう。
義兄になる人と、どんなふうに接して、どんな会話をしただろうか。
娘から、式場のこととかを調べてきたという話を聞いている時に、最初は乗り気で聞いていたのが段々と沈んできて、相槌も打てなくなってしまった。
娘が心配そうな顔をして「どうしたん?」と聞いてきた。
娘には、心配をかけるわけにはいかない。
せめて娘の前では明るくしていなければ。
そうなれるよう、息子にパワーをもらいたい。