息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

バージンロード

娘が
「バージーロードやねんけど、どうする?お母さんいっしょに歩く?
目立つのがいややとか恥ずかしいんやったら、彼とふたりでっていう手もあるし。
お色直しで中座する時のエスコート役も普通はお母さんやから、両方やってもらうことになるかも知れんけど、それは友だちに頼むってこともできるし」
と言ってきた。


一般的にはバージンロードというのは父親と歩くものだけど、夫は亡くなっていていないから、娘は父親と歩くことはできない。


私は、歩いてみたいような恥ずかしいような、でも、みんなは娘に注目して私のことなんて誰も見ないだろうからやってみてもいいかな~とか考えていたら、娘が言った。


「○○(息子の名前)がおったら、○○といっしょに歩くこともできてんけど」


涙が一気に溢れ出た。


普段は娘の前では泣かないようにしていたけど、この時ばかりは涙を止めることができなかった。




この会話のあと、息子が照れながら娘とバージンロードを歩く姿を何度も想像しては泣いている。






息子が生きていてくれたら。



生きていてほしかった。








クリスマスツリー

今、テレビのCM でも、外でも

クリスマスモード一色。


以前は、店やあっちこっちの

きれいなツリーや飾りを見ると

なんとなくワクワクしたり

売られているオーナメントなんかを

「かわいい!」と手に取って見たりしていたけど

今は、その華やかな雰囲気には近寄れない。


二年前の

息子を亡くして初めてのクリスマスには

家で毎年飾っていたツリーを

出す気にはなれなかった。

もうツリーを飾るのはやめようと思った。


けど、娘のことを考えると

娘には普段通りに過ごしてほしかったから

いつも通りにツリーを出すことにした。


今年もツリーは飾る。


たぶん今年が最後。


来年からは飾らない。


春に娘が結婚したら、そのあとは私ひとり。
ツリーなんか必要ない。


でもチキンとケーキだけは用意するかな。

息子が好きだったから。

それを息子といっしょに

いっしょに食べよう。

心がざわざわする

会いたい思いは募るばかりで
でも会いには行けなくて


寂しくて
悲しくて
苦しくて
気が狂いそうになる


それでも
なんとか自分を保ちながら
一日一日を過ごしている


それなのに


テレビのニュースや
新聞記事に
心が乱される


ただ静かに
そっと
息子のことを思っていたい


ただそれだけなのに


心がざわざわして落ち着かない