息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

よみがえる記憶

昨日、娘のバースデイケーキを作っている時に、急にあの日のことがフラッシュバックのように思い出された。
なぜか今まで一度も思い出すことのなかったあの日のこと。


息子が逝ってしまったあの日。
息子の誕生日だった。
あの日の朝も、同じように息子のバースデイケーキを作っていた。


その時息子は、自分の部屋の布団の中にいた。
布団の中で眠れずにいたのか、その何時間後かに逝くことをすでに決意していたのか。
息子が苦しんでいたのに、それにも気付かずに、私は呑気にケーキを作っていた。


ケーキが焼き上がったことを息子に伝えた時に、いつもなら返ってくるはずのお礼や喜びの言葉が何もなかったことを、なんでおかしいと思わなかったのだろう。
いや、一瞬、あれ?と思ったのだ。
確かに思った。
でもそれは、息子が昨夜寝るのが遅かったからとか、まだ寝起きだからとかそんな理由ですぐに打ち消してしまった。
なんでもっと息子のことを気にかけなかったのか。
今更、どれだけ後悔してもどうにもならない。


息子は、ケーキをひとくちも口にすることなく逝ってしまった。



これからも娘の誕生日には、娘のことを思いながらではなく、息子を思い出し、自分を責め、泣きながらケーキを作ることになるのだろう。



息子を亡くすということが、こんなにも辛い。
その気持ちが、日増しに強くなってきている気がする。

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