当たり前のことが
帰り道、後ろから救急車が
サイレンを鳴らして来るのが見えたから
車を端に寄せて停車させて
救急車が通り過ぎるのを待った。
救急車を見るたびに思い出す。
息子は、救急車の中で息を引き取った。
また涙が出る。
流れ続ける涙のせいで
救急車が行った後も、しばらくは動けずにいた。
以前はなんとも思わなかった
ものが
場所が
人が
今は私の心を重く沈ませる。
いつでも、どこにいても
全てが息子に繋がって辛い。
いつかこの痛みが和らぐ日が来るのだろうか。
時が経てば、この痛みに慣れてしまって
何も感じなくなるのだろうか。