事実
息子は食欲旺盛で、特に白いご飯が大好きだった。
ピーマンやきのこ類、酢の物は苦手だったけど、いつも残さずに食べてくれた。
いかにも不味そうに、お茶で流し込むように食べてたけれど。
大皿に山盛りの量でも、好物だったらペロッと平らげていた。
息子は、食べ終わると手を合わせて
「ごちそうさまでした」
と言ったあと、必ず
「うまかったー」
と言ってくれた。
そのひと言が嬉しくて
美味しそうに食べる姿が見たくて
たとえ手の込んだものでも、息子が食べたいと言えば作ってあげた。
息子がいなくなってから、作る量はかなり少なくなった。
お米もなかなか減らない。
手間もかからないし、楽になった
と思う。
そんなことを思う自分に罪悪感を感じるけど
それが事実なのだ。