息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

たら、れば

あの日


私が出かける準備をしていたら、息子が


なんかペンない?


とペンを探していた。





その1時間後に

ペンは息子の書いた遺書の上に置かれてあった。


あの時息子は、遺書を書くためのペンを探していた。



もし私が、


何に使うの?


って聞いていたら、

息子はなんて答えていたのだろうか。





息子はいつも眼鏡をかけていた。

でも逝く時には眼鏡はかけていなかった。


息子ははずした眼鏡を、亡くなった夫の眼鏡の横に並べて置いていた。



もし眼鏡をはずしていなければ


飛び降りる寸前に下を見て


怖い


怖いからやめよう


と思いとどまったりはしなかっただろうか。







たら


れば


なんて

そんなことをいくら考えても

たとえそうだったとしても

何も変わらない。

息子のいないこの現実は変えられない。


それでも


たら

れば


と、また考えてしまう。

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