生きたかった日
息子はバイトには自転車で通っていた。
バイト帰りの深夜、歩道を走っていたら滑って転び、息子の体は車道に投げ出されてしまった。
たまたまその時は走っている車はなかったから、擦り傷だけですんだ。
その道路はいつもは車の通りが激しく、スピードを出してる車も多い。
深夜だったから、あまり車は走っていなかったようだ。
でも、一歩間違えたらどうなっていたのか、考えたらぞっとした。
顔をこわばらせて
マジで危なかったで
車が来たらどうしよかと思った
むっちゃ怖かった
と言う息子を、
無事でよかった
と抱きしめた。
そして、天国にいる夫、父、祖父母に
守ってくれてありがとう
と感謝した。
この時は息子は死ぬのが怖かったのだと思う。
死にたいなんてことも考えていなかったのだと思う。
何度も何度も無事であったことを喜んでいたのだから。