息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

生きたかった日

息子はバイトには自転車で通っていた。


バイト帰りの深夜、歩道を走っていたら滑って転び、息子の体は車道に投げ出されてしまった。

たまたまその時は走っている車はなかったから、擦り傷だけですんだ。


その道路はいつもは車の通りが激しく、スピードを出してる車も多い。

深夜だったから、あまり車は走っていなかったようだ。


でも、一歩間違えたらどうなっていたのか、考えたらぞっとした。


顔をこわばらせて


マジで危なかったで

車が来たらどうしよかと思った

むっちゃ怖かった


と言う息子を、


無事でよかった


と抱きしめた。



そして、天国にいる夫、父、祖父母に


守ってくれてありがとう


と感謝した。





この時は息子は死ぬのが怖かったのだと思う。

死にたいなんてことも考えていなかったのだと思う。


何度も何度も無事であったことを喜んでいたのだから。

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