息子が小学校の４年生か５年生の時に、

私は宿題のことで息子を叱ったことがあった。

息子はふてくされて出て行き、いつも戻って来る時間になっても帰って来なかった。

外が真っ暗になっても、なかなか戻って来なかった。

心配で心配でたまらなかった。

娘が探しに行き、家の近くをうろうろしている息子を見つけた。

怒られてムカついたから、プチ家出しようと思った。

と言う息子に、

お母さんはあなたがいなくなったら、どうすればいいのかわからへん。

悲しくて寂しくて生きていかれへん。

お願いやから家出なんか考えるのはやめて。

と、私は泣きながら言った。

息子は、まさか私が泣くとは思わなかったのだろう。

驚いた顔をして何も言わずに、泣き続ける私をしばらく見ていた。

それから、目に涙をためて

ごめんなさい。

もう絶対にしない。

と言った。

その２、３日後に息子は

あの時、母さんが泣くからびっくりしたわ。

僕のことがそんなに好きなんやとわかって嬉しかったで。

と照れ臭そうに話してくれた。

息子はその時からわかっていたはず。

息子がいなくなったら

私がどんなに悲しむか

ってことを。

それなのに･･･

わかってたはずなのに･･･

悲しいよ

悲しい

悲しい

悲しくて悲しくてたまらない