いつまでも
夏休みだからか、平日でも家族連れを多く見かける。
スーパーで、母親と高校生か大学生の息子らしき二人連れ。
買い物している母親の後ろを、スマホをいじりながら付いて行く。
レジをすませ、母親が買ったものを袋に入れ終わると、その子がそれを取って持って歩く。
息子もそうだった。
頼んでもないのに、自分が持つのが当然のように荷物を持ってくれていた。
涙が溢れる。
辛くなるのなら見なきゃいいのに。
なんでずーっと見てしまうんだろ。
いろんな家族連れがいるのに、スポットライトが当たっているかのように、母親と息子の二人連ればかりが目に入る。
時が経てば、そんなシーンを見ても慣れてしまって、だんだんと何も感じなくなるのかと思っていたのに、変わらず辛い。
まだ一年二ヶ月では無理なんだろうか。
いや、何年経とうと同じなんだろう。
夜、布団に入ってから号泣してしまった。
布団の中で涙することはしょっちゅうあるけど、急に耐えきれなくなって、声を抑えて泣き続けた。
どれくらい泣いていたのか、泣きながら眠ってしまったのだろう、目覚ましの音で起きたら、布団の横には使ったティッシュがいっぱい散らばっていた。
寝不足で体がだるい。
幸い、何の予定もなかったので、家事をすませてから寝ることにした。
ぐっすり眠って、昼過ぎに目を覚ました。
でも起きた途端に急に悲しくなって、また号泣してしまった。
何をやってるんだろう。
息子に会いたい。
だけど、まだ会いには行けない。
生きていたくない。
ずっと、ずっと眠ったままでいたい。
こんな私は弱虫なんだろうか。
もっと強くならなければいけないのだろうか。
弱虫だと言われてもかまわない。
強くなりたいとも思わない。
でも時々、こんなことでいいのだろうかと感じることがある。