息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

娘の思い

娘が京都となばなの里に行ったお土産に、麩饅頭、ういろう、わらび餅を買って来てくれた。

麩饅頭とういろうは私に、わらび餅は息子のために。


娘は、息子が幼い頃から、息子にはお土産を忘れることはなかった。

今も変わらないその気持ちが嬉しい。



娘は今、弟を亡くした悲しみとどんなふうに向き合っているのだろうか。

息子の夢を見ることはあるのか、息子を想って涙することがあるのか。

聞いてみたいと思う時もあるけど、あえて聞かないでいる。

私が娘の前では泣かないでいられるのは、娘とは息子の話をしないから。

今まで一度も息子の話をしなかったということは、もちろんない。

娘との会話の中で、時々息子の名前が出て、涙があふれることもあるし、こっそり泣いているのを見られたこともある。

娘によけいに辛い思いをさせたくないから、娘の前では涙を見せないようにしている。


7年半前に亡くなった夫の誕生日には毎年、娘はケーキを買って来る。

それは、これからもずっと忘れることなく続けられるだろう。

そんなふうに、私みたいに毎日泣くことはなくても、これからも娘は娘なりに、息子のことを忘れずに想っていくのだろうと思う。


ふたりで息子の話をすることはなくても、日々の生活の中で所々に、娘の息子への想いを感じることができる。

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