息子に会いたい

21歳の息子に先立たれてしまった母

バレンタインデーで思い出したこと

昨夜、娘がチョコクッキーを作っていた。

バレンタインデーに彼氏にあげるために。

チョコレートもふたつ買ったのに、それに加えて手作りのクッキーまであげるなんて、豪華だな。


そんな娘の姿を見ているとホッとする。

幸せそうで嬉しくなる。


娘がクッキーを作るのを見てて、思い出したくないことを思い出してしまった。



去年のホワイトデーも間近の頃、息子が


バレンタインデーのお返しに、彼女にチョコレートを作ってあげよかと思うねん


と言ってきた。


えっ!?

作るん?


と言う私に


その方が喜ぶかなと思って


と。


息子は、今までチョコレートなんか作ったことはない。

正直、わざわざ作らんでも・・・と思ったが、息子がそうしたいのならと、娘も含め3人でお菓子の本とネットを見ながら考え、ガトーショコラを作ることにした。


私が横について指示しながら、息子が作る。


できるやろか

なるほど

おもろいな


とか言いながら作る息子の姿は微笑ましく、すごくかわいかった。


私が100均でちょくちょく買っておいたラッピングの箱や袋の中から、良さそうなのを自分で選び、できあがったガトーショコラを入れる。


もっと入れた方がええかな?


と言う息子に


そんなに入れんでもいい

ちょこっとだけ入れた方が、なんか高級感があってええやん


と、私は少ししか入れさせなかった。

せっかく息子が初めて作ったガトーショコラ、彼女にばかり食べさせるなんて許せない。

私も食べたい。


残ったやつは、母さんと姉ちゃんで食べてええで


息子は言った。


結果、彼女にあげた分よりも私がもらった量の方が多かった。

残り物だけど。

勝った!という優越感。

何を勝手に張り合ってるのか。


息子はガトーショコラを渡した日、帰って来てから


オレが自分で作ってんでって言うたら、めっちゃびっくりしとった

美味しいって食べてくれたで


と、嬉しそうに話してくれた。


あの時の息子は、本当に幸せそうだった。

でも、私にとっては悲しい思い出。

息子の優しさが切なくて切なくて、涙が止まらない。

できれば思い出したくなかったな。

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