バレンタインデーで思い出したこと
昨夜、娘がチョコクッキーを作っていた。
バレンタインデーに彼氏にあげるために。
チョコレートもふたつ買ったのに、それに加えて手作りのクッキーまであげるなんて、豪華だな。
そんな娘の姿を見ているとホッとする。
幸せそうで嬉しくなる。
娘がクッキーを作るのを見てて、思い出したくないことを思い出してしまった。
去年のホワイトデーも間近の頃、息子が
バレンタインデーのお返しに、彼女にチョコレートを作ってあげよかと思うねん
と言ってきた。
えっ!?
作るん?
と言う私に
その方が喜ぶかなと思って
と。
息子は、今までチョコレートなんか作ったことはない。
正直、わざわざ作らんでも・・・と思ったが、息子がそうしたいのならと、娘も含め3人でお菓子の本とネットを見ながら考え、ガトーショコラを作ることにした。
私が横について指示しながら、息子が作る。
できるやろか
なるほど
おもろいな
とか言いながら作る息子の姿は微笑ましく、すごくかわいかった。
私が100均でちょくちょく買っておいたラッピングの箱や袋の中から、良さそうなのを自分で選び、できあがったガトーショコラを入れる。
もっと入れた方がええかな?
と言う息子に
そんなに入れんでもいい
ちょこっとだけ入れた方が、なんか高級感があってええやん
と、私は少ししか入れさせなかった。
せっかく息子が初めて作ったガトーショコラ、彼女にばかり食べさせるなんて許せない。
私も食べたい。
残ったやつは、母さんと姉ちゃんで食べてええで
息子は言った。
結果、彼女にあげた分よりも私がもらった量の方が多かった。
残り物だけど。
勝った!という優越感。
何を勝手に張り合ってるのか。
息子はガトーショコラを渡した日、帰って来てから
オレが自分で作ってんでって言うたら、めっちゃびっくりしとった
美味しいって食べてくれたで
と、嬉しそうに話してくれた。
あの時の息子は、本当に幸せそうだった。
でも、私にとっては悲しい思い出。
息子の優しさが切なくて切なくて、涙が止まらない。
できれば思い出したくなかったな。